「日織さん、まだ名目上は許婚だった頃に俺、言いましたよね? 俺の言いなりになってばかりで自分を持っていない貴女が、俺は嫌いだったって」
「……はい」
自然、声が小さくなってしまいます。
これでは……怒られてしまっても仕方ない、と思いました。
「今の貴女は、依存する対象が俺から兄さんに移ったってだけで……あの頃とちっとも変わっていないです」
違いますか?と畳み掛けられて、私はますます縮こまってしまいました。
確かに、おっしゃる通りなのです。
私、自分の人生に関わることなのに、修太郎さんの言動に、何ら疑問を抱かずに入籍をしてしまいました。
「日織ちゃん、本当はね、その時にバカにすんな!って修太郎を殴っても良かったと思うのよ? 記念日だか何だか知らないけど、そんなの勝手に押し付けないで!って。何で相談もなくそんな大切なこと、勝手に決めちゃうの?って」
言いながら、佳穂さんが、うなだれる私の頭をそっと優しく撫でてくださいました。
修太郎さんは、そんな私の肩にずっと手を載せてくださっていますが、目の前で繰り広げられる私たちのやり取りに、ご自身も何か思われたみたいで。
何も口を挟んでいらっしゃらないのがその証拠に思えました。
「さて、修太郎――」
佳穂さんが私の頭からスッと手を離されると、声のトーンをひとつ下げられました。
「今の私たちのやり取りを聞いて、何も思わなかったとは言わせないわよ? ――アナタは日織ちゃんをどうしたいの?」
「……はい」
自然、声が小さくなってしまいます。
これでは……怒られてしまっても仕方ない、と思いました。
「今の貴女は、依存する対象が俺から兄さんに移ったってだけで……あの頃とちっとも変わっていないです」
違いますか?と畳み掛けられて、私はますます縮こまってしまいました。
確かに、おっしゃる通りなのです。
私、自分の人生に関わることなのに、修太郎さんの言動に、何ら疑問を抱かずに入籍をしてしまいました。
「日織ちゃん、本当はね、その時にバカにすんな!って修太郎を殴っても良かったと思うのよ? 記念日だか何だか知らないけど、そんなの勝手に押し付けないで!って。何で相談もなくそんな大切なこと、勝手に決めちゃうの?って」
言いながら、佳穂さんが、うなだれる私の頭をそっと優しく撫でてくださいました。
修太郎さんは、そんな私の肩にずっと手を載せてくださっていますが、目の前で繰り広げられる私たちのやり取りに、ご自身も何か思われたみたいで。
何も口を挟んでいらっしゃらないのがその証拠に思えました。
「さて、修太郎――」
佳穂さんが私の頭からスッと手を離されると、声のトーンをひとつ下げられました。
「今の私たちのやり取りを聞いて、何も思わなかったとは言わせないわよ? ――アナタは日織ちゃんをどうしたいの?」



