そこで一旦言葉をお止めになられると、健二さんは私をじっと見つめていらっしゃいました。
「今回の入籍に関しては、俺も佳穂もただただ驚きました。そもそも……兄さんには日織《ひおり》さんとの入籍を急ぐ理由があったみたいですけど……貴女にはありましたか? というより、事前に兄さんから入籍の件について相談を受けていらっしゃいましたか?」
淡々と告げられる言葉に、私は小さく息を飲みます。
事前の、相談……?
そんなものあるわけありません。だってそもそもあの時は――。
「あ、あの……さ、サプライズだったので……」
前もって何か言われることなんてありえませんでした。私、書類を書くための印鑑すら持っていなくて泣きそうになったのを覚えています。
私が小さな声でそうお答えすると、お二人が息を飲まれたのが分かりました。
「日織ちゃん、そういうのは片側が勝手に決めて進めていいものじゃないって思わなかったの? もし……少しでも何で?と思ったんだとしたら……どうしてそれを修太郎に言わずに手続きしちゃったの?」
ややして、佳穂さんが静かな声音でそう問いかけていらっしゃいました。私は佳穂さんの真っ直ぐな視線を受けて、落ち着かない気持ちになります。
片側が勝手に決めて進めていいものでは……ない……?
「今回の入籍に関しては、俺も佳穂もただただ驚きました。そもそも……兄さんには日織《ひおり》さんとの入籍を急ぐ理由があったみたいですけど……貴女にはありましたか? というより、事前に兄さんから入籍の件について相談を受けていらっしゃいましたか?」
淡々と告げられる言葉に、私は小さく息を飲みます。
事前の、相談……?
そんなものあるわけありません。だってそもそもあの時は――。
「あ、あの……さ、サプライズだったので……」
前もって何か言われることなんてありえませんでした。私、書類を書くための印鑑すら持っていなくて泣きそうになったのを覚えています。
私が小さな声でそうお答えすると、お二人が息を飲まれたのが分かりました。
「日織ちゃん、そういうのは片側が勝手に決めて進めていいものじゃないって思わなかったの? もし……少しでも何で?と思ったんだとしたら……どうしてそれを修太郎に言わずに手続きしちゃったの?」
ややして、佳穂さんが静かな声音でそう問いかけていらっしゃいました。私は佳穂さんの真っ直ぐな視線を受けて、落ち着かない気持ちになります。
片側が勝手に決めて進めていいものでは……ない……?



