あなたに、キスのその先を。

「いきなり来ると言われても、日織(ひおり)さんも僕も朝食がまだだから迷惑だと話して、とりあえず近くのファミレスで待っていてもらうことになりました」

 修太郎さんがにっこり笑ってそう言ってくださって、私は正直ホッとします。
 佳穂さんに迷惑だと告げていらしたのは感心できませんが、ファミリーレストランなら佳穂さんも珈琲などを飲まれながら時間を潰すことができると思います。
 だからといって余りお待たせするわけにはいきませんが、とりあえずメイクの途中で「お久しぶりですっ」となる事態だけは避けられそうです。

「ありがとうございますっ。た、助かりますっ」
 素直にそう申し上げたら、修太郎さんが嬉しそうに微笑まれました。
「お役に立てて光栄です」

 修太郎さんは、私にとって、やはり最高の男性です!
 何も言わなくてもピンチを察して助けてくださるとか……かっこよすぎですっ。

「なるべく早く仕度(したく)、整えますね」

 ペコリと頭を下げると、私は急いでリビングに戻りました。
 メイクと髪の毛のセット、超特急で頑張りますっ!