あなたに、キスのその先を。

 でも、今はっ。
修太郎(しゅうたろう)さん、とりあえず……着替えましょ?」
 スマートフォンを握りしめて固まっておられる修太郎さんの肩に、そっと手を触れて促します。

 お腹も空きました。
 何か食べる時間は残されているでしょうか? というより佳穂(かほ)さんはお腹、空いていらっしゃらないでしょうか?

 私はいそいそと着替えを抱えて脱衣所にこもると、少し考えて入り口に鍵をかけました。
 全部見られてしまった間柄ですが、やはり不意打ちは恥ずかしいので用心します。

 私が着替えを終えて脱衣所から出ると、修太郎さんが立っていらして。
 修太郎さんも、ちゃんと着替えていらしてホッとしました。
 今日の修太郎さんは、レンガ色より少し赤みの強い朱殷(しゅあん)色のサマーニットを着ていらして、その裾から白のロング丈のTシャツが見えています。それに黒のスキニーパンツをあわせていらっしゃるのがとてもお洒落で、思わず見惚れてしまうぐらいカッコいいです。