あなたに、キスのその先を。

 と、突然ベッドの宮棚に置かれていた修太郎さんの携帯電話がブーッブーッと振動して。
 私は突如鳴り響いたその音に、思わずビクッと肩を震わせます。

 寝室の掛け時計を見やると、時刻は午前十時を回っていました。
 夜遅くまで起きていたので、少しお寝坊さんをしてしまったようです。

 修太郎さんが着信中の画面を一瞥(いちべつ)なさった後、私に仕草でごめん、と謝っていらしてから、「もしもし?」と電話をお受けになられました。

 私はそのままそこにいていいものか迷ってから、聞き耳を立てるようになってはいけないと立ち去ろうとして――。ベッドサイドに腰かけた修太郎さんにグイッと手を引かれて、彼のすぐ横に座らされてしまいました。

 そうなさってから、修太郎さんは「今、日織(ひおり)さんも一緒だからスピーカーに切り替えるぞ」と前置きなさってからハンズフリーになさいました。

「あ、あのっ、私も会話をお聞きしてよろしいのですかっ?」

 戸惑いながら修太郎さんにそう問いかけたら――。