あなたに、キスのその先を。

 家では割とネグリジェも愛用していますが、あれは下手をすると眠っているうちに(すそ)がまくれ上がって恥ずかしいことになり兼ねないので今回は選択肢から外しました。

 ネグリジェ、座ってお話ししたりする分には、女性らしくて可愛いと思いますし、本当問題ないんですけれどっ。……やはり私の寝相が悪いのがよくないんだと思います。

 シャンプーやボディソープは入れられなくて持参を諦めましたが、とすると私、お風呂上がりには修太郎(しゅうたろう)さんと同じ香りになるんですねっ。きゃー、何だか照れますっ!

 あれこれ考えながらせっせと身支度を整えていたら、向こうのほうで扉の開く音がしました。
 次いで、フローリングを近づいてくる足音……。

(き、緊張しますっ)

 私は準備したものを一式胸に抱えると、一度深呼吸をして立ち上がりました。

 と同時にリビングの扉が開いて――。