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市役所の正面玄関はもう閉まっていたので、私たちは裏手の夜間通用口――西側玄関――から庁舎の中へ入りました。
入るとすぐに守衛室があって、そこで立ち止まられた修太郎さんが、胸ポケットから一葉の書類を取り出されました。そうして私を守衛室横に置かれた机にいざなわれると、机上のペン立てからボールペンをとって、それとともに先の文書を手渡していらして。
「え? これ……」
用紙を広げて見て、私は驚いてしまいました。
市役所の正面玄関はもう閉まっていたので、私たちは裏手の夜間通用口――西側玄関――から庁舎の中へ入りました。
入るとすぐに守衛室があって、そこで立ち止まられた修太郎さんが、胸ポケットから一葉の書類を取り出されました。そうして私を守衛室横に置かれた机にいざなわれると、机上のペン立てからボールペンをとって、それとともに先の文書を手渡していらして。
「え? これ……」
用紙を広げて見て、私は驚いてしまいました。



