あなたに、キスのその先を。

 二人で手を繋いで、アーチ状になった橋をゆっくり歩く。季節は確実に夏に向かって進んでいる頃合いですが、川に掛かった橋の上は夕方ともなるとまだまだ風が冷たいです。

 それでも今よりももっと寒い時分――桜の頃――には多くの観光客で賑わう橋なんですけれど、今は夏休みにもなっていない、桜も散ってしまったと言う、ある意味中途半端な時期と言うことで、橋を渡る人の姿は私たちを含めてほんの数組しかいませんでした。

 修太郎さんは橋の途中、ちょうど橋の下を流れる川が一際(ひときわ)深くなっている辺りの、アーチが一番高くなっているところで突然足を止めると、私の手をギュッと握っていらしゃいました。

「修太郎さん?」

 急に歩くのをおやめになられた修太郎さんに合わせて立ち止まると、その反動で先ほどつけていただいたイヤリングが耳元でシャラン、と(かそ)けき音を立てて揺れたのが分かって。

 修太郎さんの背後には城山(しろやま)があって、その山頂にぼんやりとお城が白く浮いて見えています。

 お城をバックに立つ修太郎さん、絵になるなぁと思って見惚(みと)れていたら……。