会合には修太郎(しゅうたろう)さんと健二(けんじ)さんの実父の神崎(かんざき)天馬(てんま)さん、修太郎さんの実母の塚田(つかだ)絢乃(あやの)さん、健二さんの実母の神崎宮美(みやび)さん、私の両親である藤原(ふじわら)日之進(にちのしん)織子(おりこ)夫妻、健二さん、佳穂(かほ)さん、修太郎さん、私の九人が集まりました。

 佳穂さんのご両親も交えたかったのですけれど、彼女のご両親は数年前に交通事故で他界なさっていらして、お呼びすることは叶わなくて。

 佳穂さんが一人ぼっちになってしまった時、健二さんが彼女を気にして色々尽くしていらしたことが、正式にお付き合いを始めるにいたったきっかけだったとお聞きした私は、お二人の(きずな)のようなものを深く感じてしまいました。

 佳穂さんが、健二さんのことをとても優しい目で見つめながら、「あの時、健二がいてくれなかったら今の私はいないと思う」とポツンとつぶやいていらしたのがとても印象的でした。

 もちろん、修太郎さんも佳穂さんを(いたわ)って下さったらしいのですけれど、健二さんほど親密には関わっていらっしゃらなかったらしくて。
 それをお聞きした時、修太郎さんはとても優しい方だけれど、すごく真面目で四角四面なところもある方なので、これ以上は踏み込まない、という一種の線引きのようなものをしていらしたのではないかな、と思ってしまいました。