健二(けんじ)さんが動いてくださることになってから、話がとんとん拍子で進んでいった。

 やはり宮美(みやび)さんは実子でいらっしゃる健二さんも関係のあることだと言われたら気持ちが変わってくださったらしくて。

 ホッとしたのと同時に、修太郎(しゅうたろう)さんの幼少期の淋しさを垣間見せられてしまった気がして、私は悲しい気持ちになる。

「僕が義母(はは)に懐かなかったのが悪いんですよ」

 今はそう思えるんですけど、あの頃はそんな風に割り切って考えることは出来なかったので、と苦笑なさる修太郎さんに、私は上手くお答えすることができなくて、それがまたもどかしかった。