ホテルで修太郎(しゅうたろう)さん、健二(けんじ)さん、佳穂(かほ)さん、私の四人でお食事をしたあの日から、一ヶ月余りが経過した。

 その間ずっと、私と修太郎さんは、全員――先の四人に加えて、私の両親、修太郎さんのご両親――が集まれる日を模索し続けている。

 実は修太郎さん側のご両親の調整が難航していて――それは修太郎さんに実質二人のお母様がいらっしゃることに起因しているのだけれど――、私は、改めて家を巻き込むということの過酷さを思い知らされている。

「修太郎さん、大丈夫ですか?」

 連日のお仕事に加えて、慣れない生家への日参が、修太郎さんの体力を確実に奪っているように見えて、私は不安でたまらなかった。

「うちの母の方はなんとか説得できたんですけど……宮美(みやび)さんがご自分には関係ないとおっしゃって」

 疲れたように、最悪、僕の方は父と実母――絢乃(あやの)さん――だけで考えましょう、と嘆息されるのへ、私は彼の疲弊したさまが分かっているくせに、なかなか首を縦に振れない。

 この話には、健二さんも絡んでいらっしゃるから……私は健二さんのお母様の宮美さん抜きで、というのはどうしても考えられなくて、(かたく)なになってしまっていた。