「――あの、それで……荷物はどこに置けばよろしいですか……?」
深呼吸をした後に、本来ここへ来た目的に戻すべく、恐る恐るそう切り出すと、中本さんが荒々しくひとつのロッカーをバン!と叩いた。
「ここ! 空きになってるから好きに使っていいわ。鍵もかかるけど、その鍵を失くしたら開かなくなるから気をつけて。鍵にキーホールダーやリボンをつけて目立つようにするのもお勧めよ。……ロッカーには後で名前、テプラで作って付けといてあげるから、安心して入れて」
言いながら、一応確認、とばかりにロッカーの扉を開けて中を一瞥すると、中本さんは一歩下がって私に場所をあけてくれた。
つい今しがた、宣戦布告をしたくせに、仕事のことになるとちゃんと私に対する気遣いを忘れないでいてくれる中本さんの言動に、私はほんの少し驚いた。
(中本さん、もしかしたら意地悪なだけの女性ではないかもしれないのですっ)
もし……私が恋敵として姿を現さなければ、あるいは仲良くなれていたのかも?なんて思ってしまった。
深呼吸をした後に、本来ここへ来た目的に戻すべく、恐る恐るそう切り出すと、中本さんが荒々しくひとつのロッカーをバン!と叩いた。
「ここ! 空きになってるから好きに使っていいわ。鍵もかかるけど、その鍵を失くしたら開かなくなるから気をつけて。鍵にキーホールダーやリボンをつけて目立つようにするのもお勧めよ。……ロッカーには後で名前、テプラで作って付けといてあげるから、安心して入れて」
言いながら、一応確認、とばかりにロッカーの扉を開けて中を一瞥すると、中本さんは一歩下がって私に場所をあけてくれた。
つい今しがた、宣戦布告をしたくせに、仕事のことになるとちゃんと私に対する気遣いを忘れないでいてくれる中本さんの言動に、私はほんの少し驚いた。
(中本さん、もしかしたら意地悪なだけの女性ではないかもしれないのですっ)
もし……私が恋敵として姿を現さなければ、あるいは仲良くなれていたのかも?なんて思ってしまった。



