続いて、塚田さんが眼前の女性を私に紹介しようとしたら……
「管理係の中本佳苗です、よろしく!」
彼の言葉を待たずに、自ら自己紹介を終えた中本さんが、私に向かってサッと手を差し出してくる。
慌ててその手を取ると、思いのほか強くギュッと握られてしまった。私は、思わず痛さで顔をしかめそうになって、そんなことをするのは失礼だと我慢する。
「中本さん、申し訳ないんですが、藤原さんを女子更衣室まで案内してもらえますか? 失念していたんですが、空きのロッカーを彼女が使えるようにしていただけると助かります。……さすがに僕がそこへお連れするわけにはいかないので」
申し訳なさそうに頭を下げる塚田さんを見て、中本さんが「お安い御用です」と笑顔で返す。
そうして私の方に向き直ると、「さ、藤原さん、こっちです」と声を掛けてくれた。
私は机上に置いたままになっていたカバンを手に取ると、慌てて中本さんの後を追った。
「管理係の中本佳苗です、よろしく!」
彼の言葉を待たずに、自ら自己紹介を終えた中本さんが、私に向かってサッと手を差し出してくる。
慌ててその手を取ると、思いのほか強くギュッと握られてしまった。私は、思わず痛さで顔をしかめそうになって、そんなことをするのは失礼だと我慢する。
「中本さん、申し訳ないんですが、藤原さんを女子更衣室まで案内してもらえますか? 失念していたんですが、空きのロッカーを彼女が使えるようにしていただけると助かります。……さすがに僕がそこへお連れするわけにはいかないので」
申し訳なさそうに頭を下げる塚田さんを見て、中本さんが「お安い御用です」と笑顔で返す。
そうして私の方に向き直ると、「さ、藤原さん、こっちです」と声を掛けてくれた。
私は机上に置いたままになっていたカバンを手に取ると、慌てて中本さんの後を追った。



