君とベビードール





「先生、このお茶、美味しいですね。あたしが学生の時も、準備室でコーヒーご馳走してくれましたよねー。」



走馬灯のように、色々思い出した。



あの時は、友だちとケンカして、落ち込んで誰もいない教室で泣いていたんだっけ。



「…君は…、どうしたんだい?」



運悪く、そんなあたしを見つけてしまった先生は、



「とにかく…、場所を移動しよう。」



あたしの腕を引いて、国語準備室まで連れて行ってくれた。