運命の歯車


「俺は誰とも付き合わず、
気がつけば、にぼしになっちまったんだ。それに、そりゃ、前のにぼしを引きずってんだろ」


「違いますっ!」

似ていたからってだけじゃない。

「私ね、今日、はじめて、自分でうまくお味噌汁を作ったの。

あの日から苦手な家庭科も、一杯練習して、成績があがったよ。
だけどね、昨日のは、まだ、試作。飲んでなくて……本番は今日」








「だから、あなたが、今、あの袋にいるにぼしが、私のファースト味噌汁なのよ」