数日後、社長が急に言い出した。

「ネエ、梨奈。」
「はい。」
「俺んちで住もう。
正直、めんどいやろ?
わざわざ、毎日うち来るの!梨奈の家賃も浮くし。それに、忙しくて、デートもロクにできないし。ねぇ?!」
「でも、えっと。」
「部屋は空いてるから、梨奈用に使えばいい。決まり。いやか?」
「いや。大丈夫です。」

次の日、社長は、私を置いてどこかに出かけてた。いつも、一緒なのに珍しかった。

3日後、引越し業者に依頼し、
親に連絡した。
「社長と婚約者して・・・。」
「梨奈、3日前、社長さん来てくれたよ。
『梨奈さんに秘書やってもらって助かってます。梨奈さんと真剣に交際し、結婚を前提に考えてます。梨奈さんと一緒に住みたいんですが、許可いただけないでしょうか?』だって。社長なのに、腰が低いし、誠実だし。
よかったね。」
「ありがとう。」

「社長、親に会うなら言って下さいよ。」
「ダメだったら、どうしようって思って、梨奈の前では、恥ずかしいから一人で行った!」

「もう。」
「ごめんね。」
「いや、むしろ、ありがとうございます。
嬉しかったです。」
「梨奈、俺に惚れてるなぁ。」
「はい。惚れてます。」

社長の家に引っ越した。
高級マンションの15階。景色抜群。