私は、いつも通り自分の担当の仕事である皿洗い、洗濯、掃除にかかる準備をした。




今夜、訪れる客はいつもの常連客よりも遥かに偉い人らしい。





現に、いつもお調子者の雪那さんの顔がいつもよりひきつって見える。





店内には、どこか重苦しい雰囲気が漂っていた。





私は、急いでお店の制服に着替え掃除と布巾の洗濯を終えた。






私と雪那さんで食事の準備を進める。





いつもは、棚からめったに出さない食器が何皿も出ている。




食材の量だって、いつもと全く違う。




雪那さんは、心なしか悲しそうな、申し訳なさそうな顔でいた。




私は、今日のことを思いきってに聞いてみることにした。




「あの、ーーー。」




チャリンーーー



私が声を出そうと思った瞬間、店のドアが開けられた。



一瞬、雪那さんの表情が引きつって見えた。



「ごめんね、紫苑…。」




私は、まだ何も知らなかった。



これから、自分がどうなるのか。


雪那さんが、つぶやいていたことも。