病院がお休みの前日なんかは深夜近くまで帰れないこともあったのに、それでも私はお腹をグーグー鳴らしながらお母さんの帰りを待っていたんだとか。



「何度か寛道(ひろみち)くんが一緒に食べようって誘ってくれたみたいだけど、お母さんを待つって聞かなかったって」


 シッターさんも、どんなに勧めても作りたてのご飯に口をつけない私のことを早々に見限って、自分はやるべきことは果たしているのだから、と食べることを無理強いはしなかったみたい。


 それを当時の私自身がどう思っていたのかは全然覚えていないのだけど、食べたくないと言っているのを無理矢理食べさせられるよりは放っておかれる方が気楽だったんじゃないかなって思って。