私は、生まれてから、

ずっと1人だった。

5歳の頃から、

アメリカの学校に

1人で行っていた。

12歳の頃に、

アメリカの大学を

卒業して、

日本に戻ってからも

1人だった。

私には、3人も兄弟がいるのに。

私は、赤ちゃんが4人写っている

写真を眺めながら思った。

いつか、会えるといいな。

お父さんとお母さんに

部屋から出るな

と、言われていたから。

一度も部屋から出たことがない。

兄弟にも会えない。

お父さんとお母さんは、

よく、帰ってくると、

私を殴って、蹴ってくる。

私が反抗すると、

イライラしてるのよ!

黙りなさい!

声を出すな!

などと、言われた。

それから、声の出し方を

忘れた。

それが、2年程続いた。

私は、14歳になった。

いつものように、

殴られて、蹴られてから、

お前は、ここから出ていけ。

家は、用意したから。

金もやる。

と、言われて、

家を追い出された。

最後に、兄弟に会いたかった。

と、思いながら、

用意された家に行った。

タワマンだった。

無駄に広い家、

寂しいな。

でも、あの人たちが、

いないだけマシか。