ドーーン!
竜巻を吹き飛ばす爆音が荒野に響く。
その時、ちょうど荒野に到着したビスル御一行は目撃する。

「ルーーーホーーー!!!!」
ブルーの声が荒野にこだまする。

「、、、まさか、、、」
叫ぶブルーの声にビスル達もルーホーの身に何か
あったと確信する。



「、、、ルーホー、、、」
ウォルスが見つめる前でルーホーは
姿を消した。
竜巻と共に跡形もなく、、、。
アイツは身を呈してブルーを守ったんだ。
嬉しさと悲しさが混在した気持ちが
ウォルスの身体を震わせ
うっすら涙が滲む。

そんなウォルスを風警察が躊躇なく取り押さえる。
「お前が大罪人"ウォルス"だな!お前を逮捕する!」
男二人がかりで全体重をかけておさえこまれる。


そう、
ビスル達がこの場にやってきたのは
風警察が風の異変を察知。
おそらくそこにルーホーがいる!
と駆け出した為、
そこに付いて来た。


「おい!お前ら!!くそかよ!!」
ウォルスは身体を使って懸命に抵抗する。
「見てたかよ!!アイツは!!ルーホーは!」
「街を守ろうとしたんだぞ!あの子を守ったんだぞ!!」
そんな主張をよそに両腕を地面に固定され
両足にも体重をかけられ
男二人の力で地面にくっつくようにピッタリと
取り押さえられる。



そんな騒ぎにブルーが涙を携えながら
ウォルスの方を見つめる。



ビスル達もその様子を
ただただ傍観する。



「何だよ風って!!何だよ雲って!!」
「人間をイジメる為に存在するのかよ!!」
ウォルスをしっかりと縛り上げ
ユスティシーはブルーの方を見ると
ウォルスの言葉には全く反応せず
ただ、一礼し
「いいから来い!!」
有無を言わさずウォルスを連れ去る。

そして、不貞腐れてるウォルスを引っ張りながら
ビスル達の横に用意されている
雲へ向う。
「上には全て報告する!」
「!!」
その威圧的な言葉にもう一度怒りが込み上げてくるウォルス。
拳を握って殴りかかりたいが腕が自由に動かない。
「お前らの考えも!この街で起きた事も!!」
「、、、えっ!?」

そう言うユスティシーの表情は揺るがないが
すぐ脇にいるビスル達は
ウォルスに優しく微笑みかける。

「そうでないと、この街の人達に恨まれるだろ!?」
ユスティシーは知っていた。
街の人達に聞き
ルーホーがなぜ風の流れを変えたのか、、、
なぜ脱獄をしたのか、、、。

彼のした事は許される事では無かったかもしれない
それでもこの人達は
そのお陰で笑っている。

それを知った時、ユスティシーの正義の心が揺れた。
「それと!!、、、」
「彼も必ず見つけ出す!!」
そう約束をし、
ウォルスを雲に乗せ去っていった。