「おい!ルーホー。聞こえるか!?」
そんな時、どこからともなく流れてくる声。
「!!?」
ルーホーはその声に周りを探すが声の主は見つからない。
「おい!俺だ!ウォルスだ!」
そう。それは糸電話を使った会話。
「あっ!ウォルス!心配したんだよ!今どこにいるの?」

そんな何もない空間に無言で語りだしたルーホーに
疑問を抱いているブルーに気付き、
「あっ!ブルー。ちょっとだけゴメンね。」
ルーホーはバーの外に出る。
「ルーホー??」


「何だい!元気してたの?」
ルーホーは久しぶりのウォルスにテンションが上がる。
「おう!お前の活躍は隣町まで聞こえていたぜ!」
どうやら隣町から糸電話を飛ばしているらしい。
「いや、そんな事より大変だ!ルーホー!」
しかし、糸電話の先で焦るような口調で話すウォルスに只事ではない!
と、真剣に耳を傾ける。
「どうしたの?」
「追っ手だ!空の国の追っ手が俺の街に来た!」
「えっ!!?」

まさかの事だった。
地上に逃げればもう空の国は関係ない。
そう思っていた。
でも奴らは地上にまでも!
「とにかく!今すぐにその街から離れろ!」
「俺も何とか逃げるから!」

ブワッ!
そこに生温かい風が流れてくる。
「!!」
ルーホーは遠くの空を見つめる。
そこは灰色に染まった空。
「ねぇ!ウォルス!」
糸電話の向こうのウォルスに語りかける。

「ああ!何だ。」
「ウォルスも感じる!?この風って、、、」
ルーホーが見つめるその灰色の空の先。
そこに潜む影。
「!!」
ウォルスもその存在に気付いた。
「おい!これって!!」
糸電話で離れた距離にいる二人が
同じ方角を見つめる。

ルーホーはそこへ向かって走り出した。
「おい!まさか!お前っ!!」



そんなルーホーの姿を空の上から眺めている者がいる。
「ああ、ルーホー。」
「ブルーと会えたんだね。良かった。」
それはアモストフィア。
ルーホーが離れた街の風の管理を任せられ
ハントの瞳から
ずっとルーホーを見守っていた。
楽しそうに騒ぐ街の住人達。
そんな街を離れるように走り出したルーホーの姿をアモストフィアは確認した。
「え??」
何でルーホーが走り出したか分からなかった。
ただ走って行く先。
そこがどこかは分かった。
そこを先回りして覗き込む。
「!!!!」
アモストフィアはその結果に驚く。
「ルーホー!君はまさか!!」