「準備は大丈夫ですか!?」
ルーホーの掛け声に男達が答える。
「おぅ!あんちゃん!こっちは大丈夫だぜ!」
ルーホーが大きな大木の横に立ち、
思い切り風を風を吹かせる。
ルーホーの髪が風で大きくなびく。
「いっきま〜す!!」
足を大股で開き身体全体に力を込める。
風を受けた大木はしなり、
葉は風の勢いでとんでいく。
「もう一息だ!あんちゃん!!」
男達が野太い声援を送る。

徐々に木の下の土が盛り上がり根が見えてくる。
「う〜〜〜〜!」
手には血管が浮き出るほど、本気で風を送るルーホー。
ルーホーが目に止めたのは川の脇にそびえ立つ
この大きな大木だった。

〈作戦 1〉大木を倒す
川の氾濫は大雨などにより大量の水に
川が耐えきれなくなっておこる。
その川の流れを元に戻すには川を塞き止める必要があるが石や土砂などは沈んで流れてしまう。

なのでまずは川の流れの上部。
そこを沈まない木で塞き止める。
川幅10m程のこの大木なら対岸までかかり
橋のようにして川の上かける。
台風などの時に架かる橋に
大量の枝や木などが引っかかって流れを止めてしまう光景を見かける。
それを人口的に作り出す。

「いっけ〜〜!!」
ルーホーが渾身の力を込めた風で
木は斜めに傾き、
そのまま川を渡すように倒れた。

「さぁ次は俺らの番だぜ!」
一人の男が大木の上に上り、網を持って反対岸まで走る。

〈作戦 2〉堤防を作る
流れの早い川は一つ一つ細かい岩などを並べても流されてしまう。
そこで漁に使う地引網。重りのついた網を張り
そこに岩や木々などを引っ掛ける。
漁師街なら地引網は容易に準備が出来た。

「それ!!」
男2人がかりで重りのついた網が
川へ投げ込まれ川全体に張り巡らされる。
そこへ一斉に岩や枝を投げ込む。

岩や枝は網に引っ掛かり、
流れいた川の流れは徐々に弱まっていく。
しかし30トンもあるその流れに
このままでは地引網ごと
大木は流されてしまう。

「さぁ最後の仕上げといくよ!」
ルーホーは全体へ指示を出した。