「千尋ちゃんと、き、木下さんたちのおかげだよ……!」


ありがとう、と、思い切って目を見て伝えると、みんながまた嬉しそうにケラケラ笑う。


「あはは、そんなことないよ〜」

「毎日練習してたの知ってたから、私達も何か協力したいなって思ってたの」

「え?」


その言葉に、ブワッと何かが込み上げてきた。


みんな、知っててくれたの……?

恥ずかしいような、でも嬉しいのも確かで。


こんなに誰かに囲まれて笑ったのなんて、小学校か、下手したら幼稚園以来。


ちゃんとみんなの目を見られる。
見て、笑える。


気付けばさっきまでの敬語もすっかり抜けていた。



「………あ、」

遠くで、清瀬くんと目が合った。


こっちを見ている表情は、なんだか優しい。
それはまるで、"よく頑張ったな"とでも言ってもらえているみたいで。


千尋ちゃんたちに囲まれながら、ハチマキに触れてピースサインをした。


清瀬くんが目を丸くして、それから笑う。


あとで、言おう。清瀬くんに。




すっごく楽しかったよ!って。