キミは掴めない。



ニッと笑った清瀬くん。


もしかして、ハチマキ交換された……?


「お守り。男子リレー1位になったご利益付きだ」


リベンジしてこい、と。

そう言った清瀬くんに、もう一度頭を撫でられた。


……っ。

急に、ドクンと心臓が音を立てる。


え、なにこれ。


「あ、りがと……」

「ん」


小さな声でしかお礼が言えなかったわたしに、清瀬くんはふっと笑った。


なんだろう。
なんなんだろう、これは。


心臓がドキドキするのに、ポカポカもしている。


清瀬くんにそう言われると、すごく頑張れる気がしてくる。


「ほら、行ってこい」

「う、うん……!」


清瀬くんに背中を押してもらってわたしは待機場所へと向かった。