キミは掴めない。



楽しむ、かぁ。


去年の体育祭は、ひたすらに影を薄くして早く時間が過ぎるのを待ってたっけ。


「それにしても仲良しだよね、あの2人」


去年の自分を思い出すと余計に2人が輝いて見えて、思わずそう言った。


「あー、まぁ同じ中学だしな。恋人っていうよりかは、友達っぽいけど」


呆れ顔で2人を眺める清瀬くんに、ポカンとする。


「……え?」

「ん?」

「え?」

「……え、なんだよ」


ネジが外れたみたいに「え?」しか発せなくなったわたしに、清瀬くんが不思議そうに首を傾げた。


「清瀬くん、今のもう一回言って?」

「ん?恋人より友達っぽいってやつ?」

「そう……っ、それ!」


まさかの衝撃的な事実に、大きな声が出る。


え、千尋ちゃんと大野くんって……。


「……まさかとは思うけど、知らなかったわけ?」


目を見開いた清瀬くんに、コクリと頷いた。