「……やっぱ、久遠のあーゆー顔って珍しいよなぁ」
「だよねぇ。普段ならこういうのも来るようなタイプじゃないのに」
少し離れたところから、千尋ちゃんと大野くんがこちらを見ていた。
話している内容まではわからないけど、視線的に呆れられてるんだろうなぁ。
「よし。じゃあ美瑚ちゃんに新しい目標をあげよう」
よそ見をしている間にわたしの目の前まで顔をグイッと近づけてきた清瀬くんが、至近距離でニッと笑う。
「"全力で楽しめ"」
「へ?」
今までのとは、また違った系統のそれ。
「新しい友達も、空回りすぎてるその運動音痴も、全部ひっくるめてこの行事を楽しむんだよ」
言っていることがめちゃくちゃで、必死で理解しようと頭を回転させる。
「コラ、難しく考えんな」
けど、清瀬くんにパチンと額を叩かれた。



