キミは掴めない。



「うわ、軽。これじゃあ借り物競走どころか、玉入れも怪しそうだな」


笑う清瀬くんにムッと顔を上げるけど、散々失態を重ねた今のわたしにはロクに言い返す言葉も見つからない。


「んだよその顔。何か言いたそうだな。ん?」

「わっ、ちょっと……っ!」


けれどわたしの不満げな気持ちがバレたのか、清瀬くんに髪をぐしゃぐしゃにされた。


子供扱いの次は犬扱い……!?


ワシャワシャと両手で撫でられて、大型犬にでもなった気分。


「ははっ、髪ボサボサ」

「誰のせいだと……っ!」


楽しそうな清瀬くんに、ケラケラと笑われる。


また清瀬くんのペース……!


いつもながらにからかわれるとなんだか負けた気がして悔しくなる。