キミは掴めない。

***


「……じゃあ、体育祭は各自今決まった競技に決定するんで。みんな忘れんじゃねーぞー」


5限目の体育祭の種目決めは、意外とすんなり終わった。


「美瑚ちゃん、使えなさすぎ」

「う……ごめんなさい」

……まぁ、進行してくれたのは全部清瀬くんなんだけど。


すっかり忘れていた。

進行するということは、クラスメイトの前に立つということ。


そんな芸当、わたしには当然できるわけがなかったんだ。


「俺の後ろに隠れてたってどうしようもねぇじゃん。その人見知りもなんとかしないとな」

「本当にスミマセン……」


いくら副委員長だからって、たしかに使えなさすぎた。


わたしは清瀬くんの後ろに隠れて、各競技に出るクラスメイトの名前をプリントにまとめただけ。

さすがに申し訳なさがすごい。


「みーっちゃん!お疲れ!よく頑張った!」


席に戻ると千尋ちゃんは褒めてくれたけど、苦笑いしかできなかった。