キミは掴めない。



「ほらやっぱそうだよな?……ッテェ!!」


そしてその直後に聞こえたのは、もっと大きなバシッとした音。



「タカ、お前いい加減にしろ」


呆れたような低い声と同時に現れたのは、さっきまで姿を探していた清瀬くんその人だった。


「き、清瀬くん……!」

思わず嬉しくて名前を呼んでしまう。


た、助かった……。


ホッとしたわたしを確認するかのように「大丈夫か?」と顔を覗き込まれた。


「あーあ、こんな怯えた顔しちゃって」


そして、よしよしとまるで犬をなだめるかのように頭を撫でられる。


「おいタカ、こいつ絶滅危惧種並みの人見知りなんだからあんま怖がらせんな」

「絶滅……マジか。それは、うん、悪かった」


清瀬くんの言葉に、大野くんがわたしにペコリと頭を下げてきた。