キミは掴めない。



「ま、いいや。じゃ、俺がキライな美瑚ちゃん、それ貸して」

「ゔ……ハイ」


パッと手を離した清瀬くんに、チクリと言葉のトゲを刺される。


おずおずと差し出した生徒手帳とペンを受け取った彼は、何やらそれにサラサラと書き始めた。


「ん」

そして返された生徒手帳には、2行。


1行目に書かれている文は、『初恋を諦めよう』。


「これって……?」

「美瑚ちゃんの目標リスト」


フッと笑った清瀬くんは、やっぱりこの状況を楽しんでいるんだと思う。


「目標達成できたら花丸でも付けてやるよ。ちなみに、この前のやつに新しくもう一個追加しといたから」


そう言った清瀬くんは、2行目に書かれた文を指差す。

見覚えのない、新しい目標と思われるそれ。