キミは掴めない。



「……で、早速雑用か」


放課後。

わたしと清瀬くんは、アキちゃんの頼みで早速雑務を任されていた。


教室に残って、明日使うらしいプリントをまとめる仕事。


向かい合って座っているわたしたちの目の前の机の上には、たくさんのプリントが広がっている。


「………。悪かったって。だからそんなに睨むなよ」


わたしはといえば、手元でホチキスをパチパチしながら、ずっと清瀬くんに恨みを込めた視線を送っていた。


「……ほんっと、信じられない」

「だからごめんって、美瑚ちゃん」

「っ、それも……!名前も勝手に呼ばないで」


ムッと睨んでも、目の前のこの人がクツクツと笑うのは変わらない。


そもそも、クラスの前であんな……。