マネージャーが車で自宅まで送ってくれることも多いが、今日は打ち合わせがあるらしく、まだ、電車が動いてる時間に終了したため、電車で帰ることになった。
 電車で帰るときは、地元で目立たないように、メイクを落とし、眼鏡をかけ、制服か私服で帰るようにしている。
 Aスタジオを出る。

警備員にも
「お疲れ様です。」
とあいさつをする。

帰りの電車に乗り、自転車でで自宅まで帰った。

帰ったあと、少し勉強をし、寝るのは1時か2時。
撮影が長引くとなかなか勉強できないときもあるが、医者になることが夢であるため、成績を維持するようにしている。

自転車で10分の学校に通っているため、朝はゆっくり目で、7時半に起き、ストレッチを10分して、朝ご飯をしっかり食べて8時半に登校する。

母は栄養士の資格があり、モデルとしての体型維持と脳の働きをよくするようバランスを考えた食事を作ってくれている。両親ともに、私の思いを尊重してくれる。
『やりたいことは、どんどんやって欲しい。親は見守り、時に手を差し伸べるもの』
という考えなのだ。

そもそも、私がモデルを始めたのは、スカウトだった。
中学生の受験前に、地元で歩いているところをたまたま今の事務所の人が見かけ、声をかけてくれた。
始めは断った。私なんて・・・と思っていた。
でも、何度も説得に来ていた。
『医者を目指していいし、学校も普通に通ってもらっていい。撮影は、学校の後や休みの日にしてもらうから、なんとか。原石を見つけたの。絶対輝く。お願いします。』
自宅に来て、両親にも同じように説明していた。
「やってみようかな?」
「せっかくなんだし、やってみれば。ダメだったとしてもいいじゃん。何かの縁だ。しかし、受験終わってからにして。」
事務所の人は
「もちろん、高校生になってからでいいです。」
「宜しくお願い致します。」

こうして、私のモデルとなった。