「母さん、お見合いのこと、父ちゃんへは内緒にしておいてね」 複雑な想いが混じり合い、不協和音で心が壊れそうになる。 でも、もう、後戻りは出来ない。 お見合いの橋を渡ってしまったのだから。 けれど、あんまり、期待なんかしていない。 女性の準備は、もう、大変なんだから。 美容院に行って、久しぶりに和服姿の着付けに忙しい時間が過ぎてゆく。 お見合いの時間、午後1時が迫ってくる。 度胸や気合が何処に行ったのか、ドキドキと高鳴りがやってくる。