ひとを真剣に好きになればなるほど苦しいけれど・・・
あの時は傷ついても良いと思っていた。

たとえ、その先が行き止まりとなったとしても。その恋が天まで届いて戻ってくれば、良いんだ。

いつかわたしだけを笑ってくれる恋がそこにあるのを信じて。
涙が止まらなくてもずっとそう思ってきた。
もう、(けが)れのない少女でもないのに愚か者。

そんなお伽噺(とぎばなし)のような恋愛を夢みてしまう。
馬鹿だよね。皆、甘くない現実世界を必死に生きているというのに。