「振られたん?それとも、喧嘩?」
「そんなこと、関係ねぇだろう」
届くのは、兄には似合わない荒っぽい声。
「やっぱり、そうでしょう」
兄貴には3年前から付き合う紬さんがいる。
男のくせして、まなざしに涙が浮かぶのが分かる。
「あーあ、涙だって」
「・・・・」
「犯人は紬さんでしょう。その傷?」
「うるせぇな!もう、あいつのことなんて」
よせばいいのに、強がり言ってる。
「だってさあ、プロポーズするって言っていたばかりじゃない」
昨夜からの兄ちゃんは、やはり、何処か変だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…