「うん、ふたりで飛んで行きたい」 「そうか……」 「それでも、大好きな彼とならどんな所へも飛んで行きたいの」 兄は言葉に詰まり、何にも言えなくなっている。 「ごめんなさい。でも、兄ちゃん聞いて」 「・・・・」 「一生の内、好きなひとに出会い、恋をしてお互いの愛にかわるなんて、そんなにないと思うんだ」 「・・・・」 「わたし、一雄のこと、大好き。運命的な出会いだと信じているの」