いつも、幼い頃から度胸がない泣き虫だった。 救いは、お兄ちゃんの優しさ。 兄の大きな背中におぶってもらい、えーんと泣いていた。 虫採りに行って、膝小僧を擦りむいた時。 いじめっ子に追いかけられた時。 みんなの秘密基地から、落っこちたんこぶ作った時。 蜂に刺されて、泣いていた時。 何かあると、ゆき乃、大丈夫かといつも慰めてくれた。 そこには、両親にも言えない思い出がある。