男と女のひとが寄り添い、色鮮やかなカクテルを口にしている。
なんだか、急に大人になってゆく気がする。

「紬さん、すごいお店を知っているんだね」
彼女は恥ずかしそうに話してくれる。

「ここ、実はお兄さんとの大切な思い出の店なんだ」
なんかロマンチックになり、さっきまでの兄ちゃんとの成り行きを聞くことなんか忘れていた。