「俺が悪かった。素直に謝ってみる」
自分のことは全然ダメなヘタレなくせして、兄のことに熱くなってしまう。
「もう一度、心の中にある本当の気持ち、恥ずかしさなんて忘れて全部さらけ出してごらんよ。紬が好きだから、許してくれと」
好き勝手なこと、言っている。

「そうだよなあ……もう、一回、男になってみる」
「より戻すチャンスは一回だけや」

「ああー分かっている」
「めそめそしちゃダメ。男らしくギュウと抱きしめるんや」
妹の言葉に、兄貴はビックリしている。

「ゆき乃、おまえってすげえなあ」
「そうそう、兄ちゃんには幸せになって欲しいんや。好きな人と結ばれて」