「美しい海をずっと見ていたら、こんなに日焼けしちゃって」
「あの時は本当にごめんなさい」
「いゃあ……貴女の笑顔見たら、辛いことなんか飛んでしまう」
「迷って迷って連絡しようかと思ったのだけど、自信がなくて」
でも、もう、怖くはない。神さまが少しずつ勇気をくれる。
急に少し照れた顔になり、男は鼻先を手で覆ってしまう。
そんなことしても、もうバレているのに。
「それなら、まだ、チャンスがあるんだ」
今度は爽やかな笑顔を届けてくれる。
やっぱり、このひとの傍にいると落ち着いてくる。
どうしてだか、何でも言える気がする。

