「もしかしたら、もう、ブラックホール。いや、既に星屑のように砕けたかも」 兄ちゃん、黙ったまま、頷いている。 「臆病な愚か者や。それでも、良いの」 「…………」 「織り姫さん、消えちゃう」 「いや、何とかする」 「何とかってどうするの?」 普段は優しく寡黙な男が、真剣なまなざしを向けてくる。