***** 巨大な灯篭のキリコ。 勇ましい神輿が躍動する。 「チョーサ、 チョーサ」 揃いの法被姿の担ぎ手の威勢の良い掛け声。 花編み笠と浴衣姿のこども達の笑い声。 お囃子はやしで祭りは盛り上がってゆく。 でも、わたしの心の中はぽっかりと穴が開いたままであった。 「あっ、花火が上がった」 一番若い莉子りこの大きな声。夜になると花火が上がる。 お神輿のような巨大な灯籠のキリコが街中から海に入っていく。 「サッカサイ、サカサッサイ、イヤサカサー」