他人の恋なら、いくら、壊れてもいい。 けれど、兄ちゃんのは別。 その恋は、応援してあげたかった。 和菓子の職人していて、時々、ぶっきらぼうのところあるけど。 兄のこと、好きだから。 わたし、恋神さまなんてこの世にあると信じていない。 「兄ちゃん、赤い糸、切れていなければ良いけどねぇー」 「もう、秋だけど。七夕の織り姫と彦星の話を知っているでしょう」