「気さくで感じの良いひとだなあと」 「どうして?」 「さっきの鯉、とても、美味しそうに食べていたじゃない」 久しぶりに童心にかえる楽しいひと時を思い出す。 「お相手の写真もよく見ないでお見合い承諾したから。ごめんなさい」 素直に謝っていた。 「ということは、見合い最初から断る予定だったのでは」 「ごめんなさい。本当のこと言っていい。でも……」 「でも、何ですか?怒らないから言って」 男は笑っている。