「兄ちゃん、指輪買ってあったよね」 「まだ、渡していない」 「引き出し見ちゃった。馬鹿みたい」 兄は少しだけ怒っている。 「おい、勝手なことすんなよ」 「でも、本当は紬さんのこと、好きなんでしょう」 「ああ…」 兄は何か言いたげである。 「なら、なんでそんなことするの!」 「ごめん」