図書委員の私は、その日の放課後は図書室にいた。

本の貸し出しをするための受付に、一つ上の先輩である大友先輩と並んで座っている。

とはいえ、若者の読書離れが進んでいる中、図書室に大勢の学生がいるはずもない。

図書室にいる人なんて、毎回決まった顔ぶれだ。受付にだって大した人数は来ない。

……つまり、受付業務はヒマなのだ。


「なあ菫ちゃん、なんか考えごとしてる?」

突然そんなことを言われ、驚いて大友先輩の顔を見た。