「ほら、おいで」



なんだろう。

なんか、これ知ってる。

手に取って見ていると、おじさんが豪快に笑いながら言った。



「そりゃぁメガネケースだな、ははっメガネかけてないお嬢ちゃんにはいらねぇかなっ、がっはっはっ」



…メガネケース

中学校の頃、織が学校に持ってきていたあれだ



ふふっ…いいの見つけた



「これにします!」

「あれ?!お嬢ちゃん家ではメガネかっ」

「へへっ…わたしはメガネかけないんですけど…、」



わたしが糸通しゲームを選んだのは、ブランケットがほしかったから。


そのブランケットを、織にプレゼントしたかったんだ。


織は寒さに強いけど、すごく温度が低くて寒さに負けてしまう日には、これを抱きしめて眠ってほしいなって、そう思った。

だって織の家には、あまり防寒具がないんだもん。


あ…でも、ひとつだけ見つけたんだよなぁ


物音が聞こえて2階にいったとき、織のベットから床に流れるようにしておちてあった、白いブランケット。


_『ねぇ、あそこにあるブランケット持ってきてもいい?』


ふたりでベランダにいるとき、私が織にそう言ったのを覚えている。

あのときのブランケット。

あれは織が自分で買ったんだろうか。


ふふっ…織にしては珍しい…

強がってるだけで、ほんとうはやっぱり寒いんだ?