___
__



「お姉ちゃん頑張れーー!」

「最後まで諦めちゃダメよー!」



ふるふると震える手で、最後の力をふりしぼる。

やっとの思いで糸が通り、わっと盛大な拍手の音が鳴った。



「や…やっと…おわっ、た……」



いつの間にか絆ができた挑戦者の方々とハイタッチをして、達成感で胸がいっぱいになる。



「はい、お嬢ちゃんはここから景品選んでね」



だから忘れていたのである。


はて……わたしはなんのためにこのゲームに参加したんだったけ…?


最下位の景品を見て気がついた。


ブランケットぉ〜〜〜〜!!

ブランケットがほしかったんだぁ〜〜うぁ〜〜



「お嬢ちゃんのガッツ!おじさん、好きだぜ」



糸通しゲーム担当のスタッフさんである、ダンディなサンタさんに褒められて、思わず頬が緩む。


…そ、そうかな…くふふっ…そうでしょっ?


服のそでで目元をぬぐって、笑ってみせた。



「へへっ……ありがとうございますっ」



ブランケットはほしかったけど、楽しかったからそれでいい。


そう思って最下位の景品を順番にみてまわっていると、見覚えのあるカタチをした物を見つけて足を止めた。