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「…よし…っ」



目の前にある針と糸を見つめながら、ぐっと静かに拳を握りしめた。

わたしが挑戦するゲームは、糸通しゲーム。

そして狙う景品は…2番目に、はやかった人がもらえるブランケット…!


ほとんどの挑戦者がわたしより小さい子供。

そして、きっと皆がほしがってるのは、1位の人がもらえる、女の子が好きそうな、そして高そうなおもちゃなのだ!!


ふっはっは……ブラック立夏!!


これはいけるっっ


裁縫は嫌い…ううん、できない

家庭科の授業で何回、手を怪我したか分からないくらい全くできない…立夏ですが…


ぶっちゃけ2位なら大丈夫!!


だって周りはわたしより小さい……



「まま、がんばって…!」

「ままーっ、負けないで〜〜」



あら……?

てっきり私は小さい子どもたちと競うものだと…


前に出てきて腕まくりしているのは、子供たちの母ちゃんだ。


母ちゃんでてきちゃうんだ?!

みんなガチやん…っ…!!



「よ、……よーし」



家庭科の成績表2!

立夏、がんばるんよ…っ!