「ほら、おいで」



「え、おり、だれと電話?す、すきですってなに?どうして泣いてるの?なんか嫌なこと言われた?あっ……わたしが殴りにいこうか!?」



話が物騒な方向へと傾きかけているので、慌てて思いついたウソを言った。



「……バイト…の、店長と電話」

「………っえ…?…?ふっ…くふふっ…ご、ごめ、え?バイトの店長に告白って…?」

「…急遽バイト入れるかって頼まれたけど……断って…了承してくれたのが嬉しくて…、あれだよ…、尊敬の気持ち」


「ふっ…っわはははっ…なにそれっ、それでガチ泣きってっ…ふふっ、やっぱり織はレアキャラだよ」



……“やっぱり”…か

自然と頬が、ふっとゆるむ。


心配そうに俺を見つめるミカと、俺の服のそでを掴むショウ、それから目に涙を浮かべてまで笑っている立夏。


ミカ、ショウ、立夏


……ありがとう



「……あー…、ゲーム楽しみだな」



俺がそう呟くと、3人はあたたかな笑顔で笑った。



「なんだ、お兄ちゃんゲームが楽しみすぎて泣くとかまだまだ子供だな…俺はシャテキゲームで、ママとパパに……!…こほんっ、いや、なんでもない」

「……みかは、あの、ぬいぐるみほしい」

「わたしは、あれやる!」



見事にやりたいゲームが3人別れて、思わず笑ってしまった。